15 Oct 2001
TOYOSHIMA, ISAO
♪台北発の普通列車降りたときからぁ〜汐止駅はぁ〜泥の中ぁ〜
日本中が超大型台風8号でジタバタしていた頃、台湾(&沖縄)は超長寿命台風だった7号に、 なんと延べ一週間も滞在されやがりまして、 台北市全域とその周辺地域は過去30年で最も酷い水害に見まわれました。 Tidalpower社のある汐止市も例外ではなく、 今回訪問した10月11日現在も、 まだ泥を被ったベンツ(オーナー泣いてるだろうな)とかがゴロゴロし、 町は土ぼこりで濛々という有り様でした。
幸い、Tidalpower社の入居しているビルは高台にあったため、被害は免れたようですが、 なにしろ電車、バスは一週間、更に台北市自慢の地下鉄に至っては復旧の見通し立たず、 一説には半年という無茶苦茶な状況にあり、 Tidalpowerを含め、他のパソコンメーカーも生産や開発にかなりな打撃を受けたようです。 一昨年の台湾大震災に続いて被災続きで、 さしものエネルギッシュな台湾人もちょっとお疲れ気味のようです。
と言うのが前振りで(笑) 行ってきましたTidalpower。 まずは仕込みがてら、 お土産のウィスキーを社長のLeo Leeさんに手渡して記念にパチリ。 Lee氏はいかにも台湾の起業家という風貌のダンディなおじさんです。
ところがLee氏は開口一番、私のPD-1100を指差して、 「このモデルはもうすぐ生産終了だよ。」 とショッキングな発言。 どういう訳か私がPALMAX関連の会社を訪問 すると、ビジネスそのものを他社に売っちゃった(by PALMAX本社)だの、 取り扱いをやめる(by SCHOT:香港の販売会社)だのという話になりますな。 どうやら私はPDシリーズにとって疫病神のようです。
生産終了の理由は、掲示板にも速報した通り、 小型のタッチパネル付き液晶が入手困難になりつつあるというもので、 まあ、今どきVGAの解像度では仕方ないところでしょう。 生産ラインに未完成のPD-1100が数台あったところを見ると、 まだ作るには作っている様ですけどね…。
で、目の前に運ばれてきたのが待望の後継機、 Mininote 200Xの試作モデル。 早速許可を得てビシバシと写真を撮りまくったですよ。 PD-1100との大きさ比較の写真を見て判る通り、 大きさは一回り、いやたぶん二回りは大きくなっています。 しかし重量の方は、日本の意見を聞いてのことか? 当初より100グラム絞って1.2kgに仕上げたとのこと。
外観は、試作モデルなので最終的にはもう少し高級感も出るでしょうが、 側面にゴチャゴチャとインターフェイスが集まっているところなど、 はっきり言って日本のものとは比べ物になりません。 しかもPDシリーズほど個性が無いのも痛い。
但し先方から、 色は何が良い? という質問があったので、迷わずVAIO purple!と答えておきました(笑) 氏は笑って、「バイオはバイオだよ。」と仰るので、 「ならこっちはDeep purpleでどうだ!」と重ねて突っ込んだら苦笑いしてました。 いずれにせよ、色合いに付いては結構前向きに検討してくれそうな様子です。
どうせならスケルトンプラスチックにして、その分軽くしてくれ、 とか言えば良かったかも。
ところで話題の?指紋承認センサーですが、 頂いた価格表ではオプション扱いになっていました。 で、その機能を付けない時は何になるかと言うと、 スライドパッド型のポインティングデバイスになるのだそうでして、 これはこれで非常に嬉しい話ではないでしょうか。
なおスライドパッドと指紋センサーが併用出来るかどうかについては聞き漏らしました、 ま、どうせ我々個人ユーザーにはあまり関係無い話でしょう。
レスポンスについては、 ソフトがOSしか入っていなかったのであまり確認できませんでしたが、 起動等は格段に早くなってます。Pen3なら当たり前かな。 特筆すべきは、タッチパネルの精度が向上したことで、 PD-1x00に見られたアイコンがブルブルと震える現象は、 フォルダアイコンをドラッグしようとした時にちょっと見られた程度で、 それ以外には全く見られませんでした。
画面は大きくなった分、格段に見やすくなりました。ただ試作モデルのせいか? 視差角が大きいと視認性が若干悪くなります。昔のDSTN液晶のような印象です。 また面白いというべきか、 ディスプレイはPD-1x00のようにまっ平ら(180°)に開くことができません。 皆さんどう思います?私はこれで構わないと思うのですが。
次にキーボード。これはPD-1x00と全く同じものですが、 手前にパームレストのように広いスペースがあるので、 打ち易さという点ではこっちが上ですね。 ステレオスピーカー対応なのも嬉しいところ。 ただし試作モデルはまだ音が出ませんでした。
側面には、LAN、MODEM、VGA、USBが二つ、AV端子、PS/2コネクタ、そして赤外線ポートがあります。 まさに満艦飾ですね。 しかし当初はホームページに書いてあったIEEE端子が見えません。 Leoさんに聞いてみても、「これだろ」と言って指差したのは、どう見てもLANポート。 結局判りませんでした。 反対側には、スピーカーと外部入力、そしてPCカードがあるだけです。
いずれもカバーは付きません。これが仕上げの高級感を損ねている理由ですが、 Lee氏いわく、「どうせ付けても皆無くす。」うーむ、そりゃまそうかも知れんが。
そんな訳ですから、 例えばUSBを介してTVチューナーに繋いで番組をHDDに録画しておき、 外出先で楽しむなんて使い方が出来そうです。 泊まっている場所のテレビが外部入力対応なら、本体からケーブル一本で繋ぐことも出来ますし。 つーか、私自身がそうやって使おうと思っているんですけど。 ええ、買いますよ、たぶん。ここまで来たら、買うしかないでしょー。
本体背面には、ドッキングステーション用のポートがあります。 結局ドッキングステーションは今回もあるようです。 インターフェイスの外観はPD-1x00と同じですが、互換性は無いそうです。
その他にLeo氏が力説したのは、 今回敢えて戦略的にCrusoeを使わず、Intelプロセッサにしたと言う点。 LANやUSB等をふんだんに搭載していること等を考えれば、 私はこれで正解じゃないかと思います。 このランクでPentium 3対応というのも差別化には有効でしょう。 「バッテリーの持続時間だってガチンコ勝負ならCrusoeには負けん!」 とLee氏は息巻いてました。
ただ実際Pen3モデルが売れるかというと、私にはちょっと疑問で、 主要な用途等から言って売れ筋はやはり、 Cerelonモデルでしょう。私も実際に通販する時には、 Cerelonモデルの方をできるだけ安くするつもりです。
その価格の方ですが、先方は売る気満々で、今回かなり前向きな値段を出してくれました。 ざっと計算したところ、10GBのHDDに256MBのRAMで、Cerelon版で何とか 13万円を切れる値段を付けられると思います。 性能やI/Oの豊富さではVAIOと充分タメが張れると思うので、 欲しい人は速攻で私にメールを下さい。 おっと、いかんいかん、レポートのつもりが商談になってしまった。(笑) ちなみに初号機は11月出荷予定です。ってまだ言うか?ハイ、言います。
まあ、正直な話、売ってナンボな世界なのは事実で、 訪問したら色々お願いしようとは思っていたのですが、 実際に売れていないのであまり聞いてもらえそうもな いというのが正直なところです。 ただ氏のところには、日本の販売店からも二件、 コンタクトがあったそうなので、そのあたりに期待、ですかね。 卵が先かニワトリが先かの問題で、なかなか難しいようです。
最後に、 台湾では富士通がLifebook 1010という名前でLOOX L(たぶん)を売っているんですが、 約20万円超と結構な商売。Tidalpowerはこいつを仮想敵に据えて いるようで、これより1万元安く、16万円くらいで売るそうです。 もち、OS等を含んでのお値段ですね。
これも掲示板で速報したことですが、実際問題としてMininote 200Xは大きく、 重くなってしまいました。 Leeさんの言う限りでは、 PD-1x00に使っているサイズのタッチパネル付き液晶は製造中止になり、 横長型のタッチパネルはコストが高い。 となると小さなメーカーでは選択肢が自ずと絞られてくる訳で、 今後もPD-1x00と同程度の大きさでタッチパネルを備えた機械は出てこないでしょうね。
我々サブノートファンには寂しい限りですが、 新型リブレットにタッチパネルが付いて100グラム重くなったと思ってもう割り切るしか無いかなぁ、 というのが訪問後の印象でした。
ではでは。
この臆面もない自己主張こそ台湾ピープルの証だ!
それにしても世界経済資源センターって…
以前なかったドッキングステーション用 I/F.ファンも見えますね
ボケボケですが,メインボードです.ソケットなのが判りますか?
[前回のレポート]