Tidal Power 社訪問レポート

01 Sep 2000
TOYOSHIMA, ISAO

 台北からバスに揺られて一時間、Tidal Powerは汐止という、どこかで聞いたよう な国鉄の駅にほど近い、立派な企業ビルの中にありました。オフィス兼工場は、20 メートル四方くらいと思われる床面積が2フロア、思ったより大きいな、という印象 です。

 事務所の一角にある、立派な紫檀の会議机が置かれた部屋で待つこと数分、白髪頭 の温厚そうなおじさんが、社長の李福誠(Leo Lee)さんでした。早速、質問タイム です。


Q:会社について教えて欲しい。Tidal Wave社とは何か関連が?

A:主にニッチ(隙間)商品を売ることだけを目的に設立した会社で、8年前に Tidal Wave社が整理清算された後、分岐発展した会社だそうです。(木本さん予想大 当たり。)初代のNECのモバギを作ったのもここ。今は、その初代モバギを改造した ビンゴゲームマシンが大当たりし、5000台から6000台ほど売れて会社の基礎を作った のだそうで。


Q:商売の規模、販売店網とかは?と聞いたらまず、何台くらい売れそうですかと聞 かれたので、まぁ年間10台行くかどうか、あまり力になれそうには無いですよ。と答 える。意外にも社長はその答えに満足した様子。

A:何しろ隙間商品しか考えていない会社だから、最初から大当たりを狙うつもりも 毛頭無い。小回りの利くウェブショップなどで数台づつ売れ、年間五百台も売れれば 上等と考えているそうで、数を稼ぐつもりは無い、と断言してました。Palmaxは PD-1100を最低でも年間二千台から三千台売れると考えて開発したのだろうが、そこ が間違いの元だったんじゃないか、とサラリと言ってのけるあたりは、温厚そうな顔 をして実は相当やり手なのでは。きっと、PalmaxからPD-1100を譲り受けるに当たっ ては相当買い叩いたんでしょうな。


Q:色は黒だけですか?他の色を作る予定は?

A:年間に出る台数を考えると、黒以外の色を作るのは無理。どこかで数百台規模の 大口の発注があれば色についてもオーダーを受けます。


Q:新型の予定は?

A:来年新型を作りたいが、まずは1100を売ることが先決。と言いつつ、ただ今エイ サーのトラベルノートを解析中。やっぱCPUがCyrixじゃぁねぇ。と笑う。とりあえず 現状ではまずPD-1100の液晶を8.1インチのものに換えるとのこと。その際、筐体も手 前に数ミリ伸ばし、蓋のロック用フックを取り外すが、それでも良いか?と聞くの で、「もちろん!」と答える。その時は電池も容量をアップするとのこと。800×640 対応になるのか?と聞いた所、今のままでは電源の容量が足りないので無理だそうで す。ちょっと残念。

Q:PALMAXは128MBにRAMを増設するとPCカードが認識しないバグがあったが?

A:現状でも128MBのトラブルはある。バグフィックスのパッチはもう作った。


Q:PD-1000からのからのアップグレードは?

A:1000Plusへのアップグレードは3〜400USDくらい掛かる。新規に購入した場合 が、大口受注で550ドルだから、少しは安上がりかな。1100へのアップグレードも やってやれないことは無いと思う。


Q:ベアボーンで購入した場合、アフターサービスは?

A:ベアボーンでの出荷でもアフターサービスはします。Palmaxよりはサービスが良 いと思いますよ。(ほんまかいな?)


Q:今後PD-1100のブランドロゴはTidal Powerになるの?

A:ブランドロゴは付きません。もちろん大口受注先にはOEMとして何でも良いので ブランドロゴを付けます。

 事実、頂いたカタログに写った写真は見事にノーブランドでした。うーん、これぞ まさしく謎パーだ!


 追記:

 私もついにドッキングステーションを入手しました。色は、な、なんと黒ではあり ませんか!裏を見るとPalmaxのロゴマークが燦然と輝いている。CD-ROMの速度も24倍 速に上がっている…ということは、Palmaxが何百台かは知りませんが、新たに PD-1100とドッキングステーションを製造して、それをTidal社に売ったのでしょう。 Tidal側は、自社の生産体制が完備するまでそれを売って当座をしのぐ、という訳で すね。

 ではでは。


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